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チュートリアル11 分2026年6月16日執筆:AIGCDev

Gemma 4 on Bedrock 入門:3つのオープンウェイトモデルの選び方・使い方

Gemma 4 は Google DeepMind のオープンウェイトモデルシリーズで、2026-06-15 に Amazon Bedrock で利用可能になりました。ライセンスは Apache 2.0 です(出典:AWS 公式発表)。シリーズには3つの命令チューニング済みバリエーションがあります:Gemma 4 31B(dense、このシリーズで推論とコーディングが最強)、Gemma 4 26B-A4B(MoE、約4B級のコストで25B級の知識を保持)、Gemma 4 E2B(最小、低レイテンシとマルチモーダル分類向け)。アクセスは Bedrock の bedrock-mantle エンドポイント経由で、OpenAI SDK と互換性があります。主に推論やコーディングをやっていてこのシリーズで最強の単一モデルが欲しいなら 31B、コスト重視で高スループットが必要なら 26B-A4B、レイテンシが気になるかマルチモーダル分類をするなら E2B を選びましょう。

公開日時点で、3モデルとも4つの AWS リージョンで使えます:米東部(バージニア、オハイオ)、米西部(オレゴン)、欧州(フランクフルト)。最新のリージョン一覧は Bedrock モデルカタログを確認してください(出典:AWS 公式発表、2026-06-15)。

3モデル比較一覧

モデル google.gemma-4-31b google.gemma-4-26b-a4b google.gemma-4-e2b
アーキテクチャ Dense Mixture-of-Experts Dense (PLE)
総パラメータ / 活性パラメータ 30.7B 25.2B / 3.8B active 5.1B / 2.3B effective
コンテキストウィンドウ 256K tokens 256K tokens 128K tokens
入力モダリティ テキスト、画像 テキスト、画像 テキスト、画像
推論モード 対応 対応 対応(high effort 推奨)
関数呼び出し ネイティブ ネイティブ ネイティブ
サービスティア Standard, Priority, Flex Standard, Priority, Flex Standard, Priority, Flex

選び方の目安:31B は推論やコーディングが中心のタスクに、26B-A4B はコスト重視の高スループット用途に、E2B はレイテンシが気になる場面や軽量なマルチモーダル分類に向いています(出典:AWS 公式発表、2026-06-15)。

クイックスタート

前提条件

AWS アカウントが必要で、IAM プリンシパルに AmazonBedrockMantleInferenceAccess ポリシーをアタッチする必要があります。このポリシーで bedrock-mantle エンドポイントの推論操作を呼び出せるようになります(出典:AWS 公式発表)。アクセスは bedrock-mantle エンドポイントを使います。URL の形式は次のとおりです:

https://bedrock-mantle.{region}.api.aws/openai/v1

OpenAI SDK を使った呼び出し

OpenAI SDK 経由で Gemma 4 31B を呼び出します。API key は短期のものを使ってください。自動的に期限切れになり(最長12時間)、生成元の IAM ロールの権限を継承します。本番環境では AWS Secrets Manager または Parameter Store で認証情報を管理してください(出典:AWS 公式発表、2026-06-15)。

from openai import OpenAI

client = OpenAI(
    api_key="<your-short-term-bedrock-api-key>",
    base_url="https://bedrock-mantle.us-east-1.api.aws/openai/v1",
)

response = client.chat.completions.create(
    model="google.gemma-4-31b",
    messages=[
        {"role": "user", "content": "Explain the benefits of mixture-of-experts architectures for production inference."}
    ],
    max_tokens=512,
)
print(response.choices[0].message.content)

既存のアプリケーションを移行する場合は、base URL とモデル ID を変えるだけでよく、SDK やメッセージ構造を変える必要はありません。

Console Playground

コードを書かずに試したい場合は、Bedrock コンソールからもテストできます:テスト Playground → Chat/Text → Google を選択 → Gemma 4 モデルを選ぶ。

主な機能

推論モード(Reasoning Mode)

Gemma 4 は回答の前に思考過程を出力します。Responses API の reasoning パラメータで有効にでき、effort は low、medium、high に対応しています。思考内容は独立した reasoning タイプとして返され、最終回答に混ざることはありません(出典:AWS 公式発表、2026-06-15):

response = client.responses.create(
    model="google.gemma-4-31b",
    input="If a train leaves at 3pm at 60 km/h and another leaves an hour later at 90 km/h from the same station, when does the second catch up?",
    reasoning={"effort": "high"},
)
print(response.output_text)
for item in response.output:
    if item.type == "reasoning":
        for block in item.content:
            print(block.text)

マルチターン会話では、前のターンの最終回答(output_text)だけを履歴に含め、reasoning items はモデルに返さないでください。AWS によると、推論過程を再送すると応答品質が低下します(出典:AWS 公式発表、2026-06-15)。

E2B バリアントでは reasoning_effort を high に設定することを推奨します。このモデルはデフォルトで大量の推論を行う傾向があり、high effort にすることで思考が独立したチャネルに留まり、最終回答に漏れ出るのを防げます。

関数呼び出し

Gemma 4 はネイティブの関数呼び出し(function calling)に対応しています。流れは:tools を定義 → リクエスト送信 → tool_call を受け取り → 関数を実行 → 結果を返す。bedrock-mantle エンドポイントは OpenAI の tool calling インターフェースと互換性があります。完全な例は AWS の公式記事を参照してください。

マルチモーダル(画像入力)

すべてのバリアントがテキスト+画像の入力に対応しています。API は base64 data URL または S3 URI を受け付けます(任意の HTTPS URL はサポートされていません)。公式では、プロンプト内で画像コンテンツをテキストの前に配置することを推奨しています(出典:AWS 公式発表、2026-06-15):

import base64
with open("chart.png", "rb") as image_file:
    image_b64 = base64.b64encode(image_file.read()).decode("utf-8")
data_url = f"data:image/png;base64,{image_b64}"

response = client.chat.completions.create(
    model="google.gemma-4-31b",
    messages=[{
        "role": "user",
        "content": [
            {"type": "image_url", "image_url": {"url": data_url}},
            {"type": "text", "text": "Describe the trend shown in this chart."}
        ]
    }],
)

Streaming

stream=True を設定すると SSE ストリーミング応答が有効になり、chat や agent のユースケースに便利です:

stream = client.chat.completions.create(
    model="google.gemma-4-31b",
    messages=[{"role": "user", "content": "Write a short poem."}],
    stream=True,
)
for chunk in stream:
    delta = chunk.choices[0].delta.content
    if delta:
        print(delta, end="", flush=True)

推奨サンプリングパラメータ

bedrock-mantle エンドポイントでは、temperature と top_p でサンプリングを制御します。AWS は temperature=1.0、top_p=0.95 を推奨しており、推論モード・非推論モードの両方で使えます(出典:AWS 公式発表、2026-06-15)。

選び方ガイド

ワークロードの特徴 推奨バリアント 理由
複雑な推論、コード生成、単一モデルで強い推論 Gemma 4 31B 最大の dense バリアント、256K コンテキスト、推論とコーディングに優れる
高スループット、コスト重視、知識の幅が必要 Gemma 4 26B-A4B MoE 設計で推論コストとレイテンシが 4B モデル並み、25B 級の知識を保持
低レイテンシ、on-device スタイル、軽量マルチモーダル分類 Gemma 4 E2B 最小最速のバリアント、コストや速度が重要な場面に最適

同じアプリケーション内でリクエストごとに要件が異なるなら、バリアントを切り替えることもできます——3モデルは同じ API インターフェース(system prompt、tool calling、image input、reasoning mode)を共有しています。

本番運用の注意点

サービスティア

Bedrock には3つのオンデマンドティアがあり、リクエストごとに service_tier パラメータで切り替えます(出典:AWS 公式発表、2026-06-15):

ティア 適用場面
Standard 日常的な AI タスク、標準の従量課金
Priority 顧客向け、リアルタイム agent などレイテンシ重視のタスク(OTPS レイテンシが Standard 比で最大25%向上、出典:AWS 公式発表、2026-06-15)
Flex モデル評価、コンテンツ要約、agent 系バックグラウンドタスク(割引価格、レイテンシ高め)

レート制限

bedrock-mantle エンドポイントのレート制限はトークン枠(入力トークン/分、出力トークン/分)で管理され、RPM ではありません。Gemma のようなオープンモデルには現時点で公開されたアカウントあたりのトークン枠はなく、スループットは内部のサービス容量に依存します。HTTP 429(トークン枠超過)や 503(リージョン容量不足)には、指数バックオフとジッターを使ったリトライを推奨します(出典:AWS 公式発表、2026-06-15)。

OpenAI SDK の max_retries パラメータで自動リトライできます:

client = OpenAI(
    api_key="<your-short-term-bedrock-api-key>",
    base_url="https://bedrock-mantle.us-east-1.api.aws/openai/v1",
    max_retries=6,
)

トラフィック増加

リクエストレートを急に大きく増やさないでください。AWS は段階的なスケールアップを推奨しています:目標レートから始め、503 が発生したら 50% 減らして 15 分安定させ、その後 50% 増やしてさらに 15 分安定させ、目標に達するまで繰り返します(出典:AWS 公式発表、2026-06-15)。詳細は AWS 公式ドキュメントの Scaling on-demand inference を参照してください。

暗黙的 Prompt キャッシュ

Gemma 4 は Bedrock 上で暗黙的 prompt キャッシュが自動的に有効になっており、コードの変更やマーカーは不要です。キャッシュヒットは毎回保証されるわけではありませんが、prompt のプレフィックスが安定しているタスクで発生しやすくなります——マルチターン agent、RAG アプリケーション、長文コンテキスト分析が典型例です(システムプロンプト、ツール定義、ソースドキュメントがリクエスト間で再利用されるケース)。静的なコンテンツを prompt の前部に、動的なコンテンツを後部に配置すると、キャッシュヒットの確率が最大になります。キャッシュヒットした入力トークンは入力トークン枠にカウントされません(出典:AWS 公式発表、2026-06-15)。

クリーンアップ

オンデマンド推論は呼び出したときだけ課金され、破棄するインフラはありません。短期 API key は自動的に期限切れになります(最長12時間)。早期に失効させたい場合は Bedrock コンソールで削除してください。Priority ティアをテストした後は、service_tier パラメータを外せば Standard に戻せます。詳細な料金は Amazon Bedrock 料金ページ を参照してください(出典:AWS 公式発表、2026-06-15)。

FAQ

Bedrock と Google AI Studio で Gemma 4 を実行する違いは?

Gemma 4 は Apache 2.0 ライセンスのオープンモデルで、複数のプラットフォームで動作します。Bedrock 上では推論が AWS インフラ上で完全に実行され、AWS がデータ処理者となります。プロンプトと出力はモデルのトレーニングに使用されず、第三者と共有されることもありません(出典:AWS 公式発表、2026-06-15)。

Gemma 4 を実行するのに Amazon Bedrock が必要ですか?

いいえ。Gemma 4 は Apache 2.0 のオープンウェイトモデルで、Hugging Face から重みをダウンロードして独自のインフラにデプロイできます。Bedrock で実行する利点は、推論インフラを管理する必要がなく、トークン単位で課金され、Standard/Priority/Flex の各ティアと AWS のセキュリティ境界が自動的に得られることです。

料金は?

トークン単位の課金で、モデルとサービスティアによって異なります。最新の料金は AWS Bedrock 料金ページを確認してください。

関数呼び出しはどの形式に対応していますか?

Gemma 4 の関数呼び出しは OpenAI SDK の tool calling インターフェースと互換性があります。tools 配列の定義 → モデルが tool_call を返す → 関数を実行 → tool 結果を返す、という流れです。完全な例は上記のコードを参照してください。

GPTQ/AWQ などの量子化形式に対応していますか?

AWS の公式発表では Bedrock 上の量子化デプロイオプションについて言及されていません。セルフデプロイの場合は、コミュニティの量子化ツールが利用可能です。

ファインチューニングに対応していますか?

AWS は Bedrock 上での Gemma 4 のファインチューニング対応を発表していません。独自データでファインチューニングが必要な場合は、Bedrock の外部で行い、ファインチューニング後の重みを自身のインフラにデプロイできます。

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